当センターについて
ロボット・内視鏡外科センターのページをご覧いただきありがとうございます。
ロボット・内視鏡外科センターは、2019年に「内視鏡外科センター」として最新の技術を使って最良の外科的治療を提供することを目指して設立されました。テクノロジーの進歩を踏まえて2022年に「ロボット・内視鏡外科センター」と名称変更しました。初代センター長の植村則久医師(外科)から2023年に二代目センター長を黒川覚史(泌尿器科)が引き継ぎました。
内視鏡外科手術とロボット支援手術について
内視鏡外科手術は、腹腔(おなかの中)や胸腔(胸の中)などに小さな穴を数カ所開け、そこからビデオカメラと細長い鉗子(手の代わりとなる手術器具)を体内に入れて、モニターを見ながら行う手術です。この手術は、患者さんの身体への負担を最小限に抑え、回復も早いというメリットがあります。
ロボット支援手術は、内視鏡外科手術の延長線上にあります。ロボット支援手術では、4本のロボットアームに10~15倍ズーム機能の3Dハイビジョンビデオカメラと3本の鉗子(手術器具)を装着できます。鉗子は7個の関節と270度の可動域を持ち、最先端の手ぶれ補正機能なども備えているため、執刀医はミニチュアになって体内にもぐりこんだような感覚で、操作することができます。
手術の歴史
歴史的には、1990年代に内視鏡外科手術が始まり2000年代に広がりを見せ、現在でも進化し続けています。当院でも日常的に内視鏡外科手術を行っており、腹腔鏡・胸腔鏡技術認定医による執刀ならびに指導体制、を整えています。
2012年に前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘徐術が保険適用となって以来、保険適用術式の拡大とともにロボット支援手術も広がりを見せています。当院でも2021年10月に1台目のダヴィンチXiを導入し、ニーズの高まりに応える形で、2024年9月には2台目のダヴィンチXiを導入しました。
手術の進化
従来は手術で悪い部分を取り去るために、皮膚を大きく切開して何が何でも悪い部分を摘出する、ということに主眼が置かれていました。その中で術者など医療従事者は、安全に摘出するための解剖と個々のバリエーションの知識、手術器具の適切な使用法や開発、切開ラインの工夫など、日夜研鑽を積んできました。
1990年代になり、医学とテクノロジーの進歩により、皮膚を大きく切開せずに穴をあけるだけの内視鏡外科手術が出現してきました。患者さんの負担を減らすことに成功し患者さんに優しくなった一方で、術者は継続的な修練、高度な技術、細かな作業を長時間やりきるための根気と体力、などが必要でした。
2010年代にはさらにテクノロジーの進歩により、穴をあける内視鏡外科手術をロボットが補助してくれるようになりました。ロボットには、10~15倍のズーム機能、手振れ防止機能、動作を五分の一など指定倍率に縮小するモーションスケール機能、が搭載されており、術者のイメージ通りの精密な手術操作が可能になりました。修練は必要ですが、術者が高度な技術レベルに達するスピードも速くなり、以前よりもさらに拡大視野で術野を確認できることから解剖のより深い知識を学ぶ必要も生まれました。一方で、ロボット支援手術は座って執刀することになったために体力面で術者の負担は軽減され、患者さんだけでなく術者にとっても優しくなった術式と言えます。
当センターの展望
高齢化社会が進み医療需要も増える一方で、少子化は進んでいます。術者など医療従事者は相対的に減っているため、2024年4月から医師の働き方改革の新制度が施行されました。現代社会において、働き方の適正化も必要ですし、男性医師だけでなく女性医師の活躍も必須です。座って執刀するロボット支援手術は、女性医師も活躍しやすい術式ですし、当院でも女性医師による執刀が日常的に行われています。
当院では、内視鏡外科手術もロボット支援手術も、高度な技術を持った医師陣(技術認定医や指導医)と経験豊富なメディカルスタッフ達で対応しております。質の高い手術を安心して受けていただけます。