診療科・部門

がん診療センター

当センターについて

センター長あいさつ

がんと診断を受けると、病院との長いお付き合いが始まります。治療を経て治癒したといわれる場合もありますし、根治できずに終末期を迎える場合もあります。この長いお付き合いの間、すべての診療が当院で完結でき、患者さん・ご家族が最小限の不安で過ごせるよう最大限支援するのが、安城更生病院のがん診療センターです。標準的な治療、最先端の治療を受けられることはもちろんですが、治療・支援にかかわる専門職の"やさしい心"が当センターの強みです。厚生労働大臣指定の地域がん診療連携拠点病院として培ったノウハウと伝統ある各診療科の底力を集結させ、当センターを運営してまいります。

センター設立の目的

令和3年~4年に実施した施設整備に伴い、高精度放射線治療機器の導入、化学療法室の拡張、手術支援ロボットの導入など、がん診療機能の向上が図られます。がん診療連携拠点病院として当院が現在まで整備してきたがん診療機能の連携を強化し、個々のがん患者に応じた治療及び看護、相談・支援を総合的に行うことを目的としてセンターを構築します。

  1. すべての診療科の協働により、高齢者や持病を有する方であっても、手術治療をはじめとするがん治療を積極的に行います。
  2. 様々な診療科や職種による治療方針検討会(キャンサーボード)によって、個々の患者さんの病状・社会的背景に応じた診療方針を検討します。
  3. 小児がんおよび若い世代(AYA世代)のがん患者への治療・支援を行います。
  4. がん治療に不安を感じている患者さんの相談・支援に、多くの専門医、専門・認定看護師、薬剤師等の専門職が関わります。
  5. がんゲノム医療連携病院として、先端医療技術であるがん遺伝子パネル検査などのがんゲノム医療に取り組むことで、診断・治療の可能性を広げます。

手術、治療、緩和ケアなど、 専門的かつ包括的ながん診療の提供

最善の治療を目指して

がんの治療は、技術の進歩や医学研究の成果とともに変化しています。患者さんに合わせ、手術、薬物治療、放射線治療をそれぞれ単独、または組み合わせた治療を行います。また、がんに伴う体と心のつらさを和らげる緩和ケアをがん治療と同時に行います。

手術

がんを外科的に切除します。切除する範囲を小さくしたり、手術方法を工夫したりして、体への負担を少なく、治療後の合併症を最小限にするように手術の方針が決められます。

薬物療法

化学療法(抗がん剤治療)、ホルモン療法(内分泌療法)、分子標的治療、分化誘導療法などが含まれます。薬物を使ってがん細胞の増殖を抑える治療です。
通院治療センターは、がんの患者さんが日常生活を送りながら治療を継続することを可能にするために設置されました。安全かつ快適に治療を受けられるように、環境やスタッフを揃えています。

放射線治療

放射線を照射して、がん細胞の増殖を抑えます。放射線治療の利点は、体に傷をづけずに、がんを小さくする効果が期待できることですが、がんの種類によって効きやすさや治りやすさは大きく異なります。

緩和ケア 緩和医療センター

がん治療にあわせ、患者さんの心身の苦痛を和らげるため、平成14年に別棟で全室個室の緩和ケア病棟(現:緩和医療センター)17床を設立しました。

がん検診

予防医療センターでは人間ドック基本コースにオプション検査として、肺がん検査、乳がん検査、子宮がん検査、卵巣がん検査、前立腺がん検査、胃カメラに変更などが選択できます。また、胃がんドック、肺がんドック、大腸癌がんドック、乳がんドック、子宮・卵巣がんドックなどの選択も可能です。

がん治療について

症例検討部

がんなどのセカンドオピニオン

  1. 患者さんの選択を尊重した医療を提供するために、現在診療を受けている医師とは異なった医師の意見を求めることをいいます。

※あくまでも第三者の意見を聞く場所のため、検査や治療は行いません。

  1. 当院以外の医療機関で診療中の患者さんに対して、これからの治療方法を自ら選択、決定することを支援するために行うものです。ご相談には、通院中の医療機関から提供された検査データ等の診療情報を持参してください。セカンドオピニオン外来は当院への転院や外来診療につながるものではなく、原則として相談後は、現在治療を行っている医療機関で治療を続けることになります。
  1. 尚、現在当院で受診中の患者さんで、他の医療機関のセカンドオピニオンを希望される場合には遠慮なく主治医にお申し出ください。

対象となる方

  1. 患者さんご本人

※ただし、患者さんの同意書があればご家族の方(原則一親等以内)でも実施します。
患者さんとの続柄が確認できる書類(健康保険証等)をお持ちください。
患者さんが未成年の場合も患者さんとの続柄が確認できる書類をお持ちください。

対象疾患

  1. 肺がん
  2. 胃がん
  3. 大腸がん
  4. 肝臓がん
  5. 胆管がん
  6. 胆嚢がん
  7. すい臓がん
  8. 乳がん
  9. 造血幹細胞移植
  10. 白血病
  11. 悪性リンパ腫
  12. 多発性骨髄腫
  13. 造血障害
  14. 脊椎疾患
  15. 前立腺がん
  16. 膀胱がん
  17. 腎がん
  18. 腎盂尿管がん
  19. 精巣腫瘍
  20. 陰茎がん
  21. その他泌尿器科疾患一般
  22. 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
  23. てんかん

キャンサーボード

キャンサーボードとは、手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師や、その他の専門医師及び医療スタッフ等が参集し、がん患者の症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンスのことをいいます。

「がん診療連携拠点病院の整備について」(平成20 年3 月1 日付け健発第0301001 号厚生労働省健康局長通知) において、がん診療連携拠点病院の指定要件として、キャンサーボードの設置及び定期的開催が位置づけられています。

専門看護師・認定看護師

日本看護協会の認定審査に合格した人に与えられる職名です。がん治療も高度・専門分化が進み、より一層の看護の質が問われます。当院でも専門スタッフを育成し、より高度で安全な医療の提供に取り組み、また、専門スタッフによる専門外来(ストーマ外来、禁煙外来、スキンケア外来、リンパ浮腫外来、がん相談看護外来、乳腺看護外来など)も実施しています。ただし、完全予約制となりますので、受診時に主治医にお声かけ下さい。尚、専門性については、看護部のページにてご確認下さい。
下記ボタンより看護部のページにアクセスできます。

がんゲノム診療部

がんゲノム医療連携病院について

当院は2018年4月にがんゲノム医療連携病院に指定されました。がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院と連携して、がん遺伝子パネル検査や遺伝カウンセリングの実施、がんゲノム医療に関する情報提供などの役割を担う病院です。
(がんゲノム医療中核拠点病院:名古屋大学医学部附属病院)

がんゲノムとは?

近年、遺伝子解析技術が進歩し、がんの原因となるさまざまな遺伝子変異が次々に発見されるようになりました。
がんゲノム医療とは、患者さん1人ひとりのがんの原因を明らかにし、より適した治療薬を選択する次世代のがん治療です。国は、がんゲノム医療を推進するため、がん対策基本法に基づき「第3期がん対策推進基本計画」を策定し、がんゲノム医療を必要とするがん患者さんが、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、がんゲノム医療を牽引する医療機関の整備を進めています。

がん遺伝子パネル検査の実施をご希望の方

主治医の先生とご相談のうえ、検査を希望される場合、主治医の先生に「がん遺伝子パネル検査・相談依頼書・診療情報シート」の記載をご依頼ください。

(医療機関の方へ)がん遺伝子パネル検査目的で当院に患者さんを紹介する場合

がん遺伝子パネル検査は、「標準治療がない固形がん」もしくは「標準治療が終了となった固形がん」の患者さんが対象です。以下のExcelをご確認の上、必要書類等をご提出ください。毎週水曜午後の「ゲノム外来」にて対応します。

小児がん診療部

小児白血病研究会に属し、白血病や小児がんの治療を行っています。貧血や血小板減少症や血友病などの非腫瘍性疾患の診断と治療も行っています。近隣の医療機関とも連携して小児悪性疾患患児の治療に当たっております。

がん診療支援部門

診療部支援部

症状緩和チーム

医師、看護師、薬剤師、心理士等から構成されていて、入院中の患者さんに対し治療初期段階からの緩和ケアの実施に努めています。
難治性疼痛の疼痛緩和のため、麻酔科と連携し神経ブロック等の対応も可能となっています。
(神経ブロック件数 令和4年度:3件 令和5年度:3件)

AYA世代支援

AYA世代とは?

進学、就職、結婚、子どもの誕生などを迎える時期で、思春期(Adolescent)から若年成人(YoungAdult)といわれる15歳~39歳の方々がこう呼ばれています。人生で最も夢と希望を抱いて奮闘している時期であり、自分に向き合い、他者からの影響を吟味しながら新しい価値観として取り込み、実践を積み重ねる努力をしている時でしょう。突然降りかかった体験は、全く受け入れ難く、理不尽に感じるでしょう。治療により行動が制限され、仲間との時間が減りさみしさを感じることもあるでしょう。この時期に経験する闘病生活は、小児期や成人期に体験する場合とは異なる意味を含んでいます。体験者ゆえの孤立を感じるAYA世代のみなさんが、 一人ではないと感じられること、その手助けをしたいと願い、多くの専門家によるAYA世代支援体制を確保しています。

※当院は妊孕性温存療法は実施していません。
妊孕性温存療法をご希望の方は下記をご参照ください

栄養指導

患者さん一人ひとりの病状や希望に合わせて、病気の治療、再発防止、合併症の予防、食欲不振の改善等を目的として、患者船への食事の提供や栄養の指導を通して栄養管理を行います。

服薬指導

薬物治療が効果的かつ安全に実施できるよう、薬剤師による面談・説明を行い医師との情報共有を図ることで診療に貢献しています。

がんリハビリ

当院はがん患者リハビリテーションの研修を修了した技士が多数在籍し、一般病棟での治療中や緩和医療センターでも対応をしております。がんの進行や治療などにより筋力・体力低下を生じた患者さんに対して運動療法を行っております。多職種で連携し生活環境を整え、在宅復帰を目指します。

がん地域連携パス

がん地域連携パスとは、手術後の患者さんのがん治療を安城更生病院とかかりつけ医の双方で行う取り組みです。地域連携パスを使うことで、かかりつけ医と安城更生病院の両方に主治医を持つことになり、これによって、より患者さんに合った治療を行えるようになり、待ち時間の長い病院外来への通院を減らすなど、患者さんの負担を軽減できます。かかりつけ医には毎月通院し、病院では3ヶ月から1年に1度の定期的な画像検査と診察を行います。

がん地域連携パスの種類

がん(胃・大腸・乳腺・肝・肺・前立腺)

相談部

がん相談支援センター

がん患者さんやそのご家族の方の「病気についての疑問」や「不安・心配事」について、主に国立がんセンターでがん相談の研修を修了した相談員が窓口となりご相談をお受けします。
国立がん研究センターがん情報サービスが提供する「がんの冊子」や「チラシ・リーフレット」などはリンク先をご参照ください。

看護外来

就労相談

愛知県社会保険労務士会と協力して行う、社会保険労務士によるがん患者の就労相談会です。
開催日は、毎月第2金曜日 10:00~12:00です。

がん談和会

がん患者やその家族が心の悩みや体験などを語り合うための場として設けられました。
開催日は、奇数月第3木曜日 14時15分~です。

がん患者会

がんを体験したことのあるピアサポーターが、がん患者さんやご家族をサポートする活動です。
開催日は、毎月第2金曜日 10:00~12:00です。

教育・育成部

緩和ケア研修会

令和6年度の緩和ケア研修会は、12月21日(土)に開催予定です。
※今年度の参加申込は締め切りました。

西三河がんフォーラム

西三河南部を中心としたがんに関わる医療を提供している医療機関の医療従事者を対象に、早期診断や緩和ケア等に関する研修会を実施しています。年2回の研修会には、数多くの方が出席します。

市民公開講座(地域住民向け講演会)

普及啓発・情報提供事業として市民向けの公開講座を開催しています。
開催日は、奇数月第3木曜日 13時~です。

がん教育

学校や企業から講演依頼があった際には、外部講師として職員を派遣し、がんに関する正しい知識の普及啓発に取り組んでいます。

愛知県がん診療連携協議会PDCAサイクル推進検討部会

愛知県内の各拠点病院におけるPDCAサイクルの実践、情報共有、相互評価を行うことで、多種職を強化してがん診療の適正化とレベルアップを図っていくことを目的とした部会に参加しています。当院ではリスク管理表に基づき、PDCAサイクルを回すことで医療の質向上に向けた取り組みを行っています。

がん登録部

がん登録

厚生労働省の標準登録形式に基づいて、院内のがん情報をデータ登録しています。ここで登録された情報は、全国の研究や教育に活用され、がん治療にフィードバックされます。

※当院は2011-2015年症例、全国値は2014-2015年症例データ。

愛知県のがん登録における研究計画について

サルコーマをはじめとする希少がんに関する研究の情報公開について

関係統計指標

クリニカルインディケーター(臨床指標)とは、病院の機能や診療の状況などについて、様々な指標を用いて具体的な数値として示したものです。指標を分析し、改善を促すことにより、医療の質の向上を図るとともに、患者さんにとって分かりやすい医療情報を提供することを目的としています。

がん関連専門医

専門医師紹介

消化器系がん

肺がん

乳がん

婦人科系がん

泌尿器系がん

血液がん

小児がん

皮膚がん

頭頸部がん

その他

上記以外のがん診療も行っています

日本がん治療認定医機構

日本がん治療認定医機構がん治療認定医消化器内科竹内真実子
外科新井利幸伊藤貴明塚原哲夫
林 大介
乳腺・内分泌外科雨宮 剛
泌尿器科黒川覚史
産婦人科鈴木崇弘松井真実
小児科宮島雄二
緩和ケア内科沖 哲
耳鼻いんこう科小栗 恵介

日本臨床腫瘍学会

日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医血液内科宮尾康太郎
腫瘍内科稲垣裕一郎澤 ひとみ
呼吸器内科高橋孝輔

日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会

日本医学放射線学会放射線診断専門医放射線診断科伊藤 信嗣富家 未来馬越 弘泰
日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会放射線治療専門医放射線治療科岡江 俊治竹内 亜里紗伊藤 善之

日本緩和医療学会

日本緩和医療学会緩和医療認定医緩和ケア内科足立康則李 振雨

日本乳がん検診精度管理中央機構

検診マンモグラフィ読影認定医師乳腺・内分泌外科雨宮 剛
外科長野 菜月塚原哲夫
林 大介
放射線治療科竹内 亜里紗

日本核医学会

日本核医学会核医学専門医放射線診断科伊藤 信嗣馬越 弘泰岡江 俊治
日本核医学会PET核医学認定医放射線診断科伊藤 信嗣馬越 弘泰岡江 俊治

日本ペインクリニック学会

ペインクリニック専門医救急科田渕昭彦

日本病理学会

日本病理学会認定病理専門医病理診断科酒井 優山本 宗平
日本臨床細胞学会認定細胞診専門医病理診断科酒井 優山本 宗平

日本臨床細胞学会

日本臨床細胞学会認定細胞診指導医病理診断科酒井 優
日本臨床細胞学会認定細胞診専門医病理診断科酒井 優山本 宗平