診療科・部門

総合周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センターは、
小さな命を守るため、
地域と手を取り合った
医療提供を目指しています。

当センターについて

当院は平成22年12月より、愛知県下3番目、三河地区では初の総合周産期母子医療センターを開設しました。

当センターは母体胎児センター、新生児センターで構成され、今まで手薄であった新生児搬送を"新生児ドクターカー「きらり」"により実施しています。しかし設備が充実しても、当院のみで西三河の周産期・新生児医療を支えることは不可能であり、地域の医療施設とのより緊密な連携は言うまでもありません。これからも地域の皆さんと手を取り合って、西三河南部を中心とした地域の周産期・新生児医療を守り、充実させ、「妊婦さんが希望に満ち、産婦さんが喜びに満ち、生まれたベビーが健やかに育っていただくこと」を願ってスタッフ一同全力で取り組んでまいります。

母体胎児センター (産科・MFICU)

診療体制のご案内

当センターは、6床の母体・胎児集中治療室(MFICU)より成り、44床の一般産科病棟とともに、三河地区の産科医療における基幹的役割を担います。 周産期専門医を中心としたチーム医療により、各種合併症妊娠をはじめ、異常妊娠、胎児異常、異常分娩、産褥異常、周産期感染症など、母体・胎児をめぐるあらゆる問題に対応します。年間の分娩件数は県下有数であり、またその約7割が、妊娠に何らかのリスクを有するハイリスク妊娠です。

また、複数の産婦人科医による当直体制をとり、地域の産科施設からの母体搬送を、24時間体制で受け入れています。麻酔科との緊密な連携のもと、一刻を争う超緊急帝王切開にも対応しています。

職種構成

  1. 医師
  2. 助産師
  3. 看護師
  4. 薬剤師
  5. 事務員
出生前遺伝学的検査については、下記産婦人科のページよりご確認ください。

施設概要

病棟4階東病棟・MFICU
病床数母体胎児集中治療室(MFICU) 6床
一般産科病室 44床
保有機器一覧分娩監視装置 7台
呼吸循環器装置 6台
超音波診断装置 2台

MFICU(スタッフステーション)

MFICU(病室)

陣痛室

分娩室

新生児室

授乳室

新生児センター (NICU・GCU)

診療体制のご案内

新生児センターはNICU18床および後方病床であるGCU30床を有し、年間に700人以上の入院に対応しています。超低出生体重児30例、それ以外の極低出生体重児30例、人工換気療法症例(CPAPを除く)約120例の診療実績を持ち、低体温療法、CHDFやECMOを含めた血液浄化療法など、適切な医療を提供できるよう積極的に取り組んでいます。

また平成22年8月より新生児専用救急車「きらり」を配備し、緊急搬送依頼にも対応しています。

母体搬送を含めて周辺周産期医療施設との連携を強化しネットワークとして周産期医療の向上に努めています。設備面の充実に対して、当センターの提供する診療の基本は「チーム医療と熱い気持ち」です。最善の診療を追求するとともに、常に患者家族そして本人の心情に配慮し、スタッフ一人一人の力を結集し、ベビーの将来がより豊かなものとなるよう尽力いたします。

センター内には多くの職種が専従として診療に加わっています。また新生児搬送に備えて24時間体制で運転手も院内に待機しています。ご家族を含めて、これらスタッフそれぞれが、「チーム医療と熱い気持ち」を有する、我がチーム医療に欠くことのできない大切なメンバーです。

職種構成

  1. 医師(新生児指導医、新生児専門医、新生児蘇生法インストラクター)
  2. 看護師(新生児集中ケア認定看護師、新生児蘇生法インストラクター、退院コーディネーター)
  3. 薬剤師(小児薬物療法認定薬剤師)
  4. 臨床検査技師
  5. 臨床工学技士
  6. 理学療法士
  7. ソーシャルワーカー
  8. 臨床心理士(公認心理師)
  9. 事務員
  10. 管理栄養士
  11. 保育士

施設概要

総病床数48床がゆとりをもって配置されており、授乳室や沐浴室、ファミリールームを完備し、ご自宅の生活に向けたサポートも万全です。また"安らぎと癒しの環境"をインテリアコンセプトに病棟アートや音と光の調和により心地よい環境を整えております。

病棟新生児センター(4階西病棟):NICU・GCU
病床数新生児集中治療室(NICU) 18床
継続保育室(GCU) 30床
保有機器一覧人工呼吸器 34台
(内SiPAP 17台、ドクターカー用 1台、搬送用呼吸器 1台を含む)
閉鎖型保育器 31台
開放型保育器 9台
搬送用保育器 3台(内ドクターカー用 2台を含む)
生体情報モニター 59台(内ドクターカー用 1台、搬送用 2台を含む)
光線治療器 13台
超音波検査装置 3台
脳波計 2台
低体温療法機器 1台
低圧持続吸引器 3台

センター入口

サロン

ファミリールーム

NICU

沐浴室

GCU

授乳室

新生児センター(NICU・GCU)赤ちゃんとのご面会について

朝の8時~11時は診療が集中する時間帯となりますので、 面会を希望される方は事前にお知らせください。
面会時間24時間面会可能
※ただし病院の管理上の理由によって面会制限を行う事があります
面会できる方入院中のお子さまのご両親と祖父母のみ
※祖父母のみでの面会はご遠慮ください。
入室人数1度に入室できる人数は2名まで

ご面会の注意事項

【注意事項】は必ずお守りください。ご不明な点はスタッフへご遠慮なくお尋ねください。
  1. 自宅での体温測定にご協力お願いします
  2. 発熱・咳・のどの痛み・発疹・充血・吐き気、嘔吐、下痢など、何らかの感染症状がある方は入室できません
  3. 同居されているご家族が何等かの感染症に罹患している場合で、ご自身も罹患している可能性のある場合の入室は、可能であればご遠慮ください
  4. 面会の際は、ウレタン・布マスクでなく不織布マスクの着用をお願いします
  5. 入室時の手洗いや、お子さま・お子さま周囲に触れる前のアルコール消毒(2プッシュ、しっかりすり込む)、触れた後の消毒、手洗いにご協力ください
  6. 当センターでは予防可能な感染症に関して予防接種を受けていただくことを推奨しています(水ぼうそう、麻疹・風疹、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などのワクチン)
新生児センターは、ご家族と一緒に赤ちゃんをはぐくむ場所です。

タッチケア

  1. 大好きなお父さんとお母さんにやさしく包まれることで赤ちゃんは安らぎを得ることができます。その心地よい刺激が赤ちゃんのおだやかな眠りや心や身体の発育に良い影響を与えます。

母乳塗布

  1. 口の中への母乳の塗布により、好ましくない菌の定着を予防し、正常な菌の発育を促す効果があります。そのため極少量の母乳でも綿棒にとり、赤ちゃんのお口へ含ませます。

オムツ交換

  1. はじめは看護師と一緒に行いましょう。保育器の中でも、ご家族にオムツ交換をしていただけます。きれいなオムツに替えて満足そうな赤ちゃんの表情をみてください。

抱っこ

  1. 赤ちゃんは抱っこされると、気持ちがよくなり、うとうと眠くなってきます。首がすわるまでは、首を支えて、両手でやさしく抱き上げましょう。

カンガルーケア

  1. お父さんお母さんと赤ちゃんが直接肌と肌を合わせて抱っこをすることです。赤ちゃんの呼吸や体温が安定したり、眠りが深くなるなどの効果があります。お父さんやお母さんにとっても、赤ちゃんへの愛情が深まったり、母乳の分泌が促進されるなどたくさんのメリットがあります。

授乳

  1. おっぱいは、お母さんから赤ちゃんへのプレゼントです。退院までに慣れておくと育児にも自信が持てます。赤ちゃんとスキンシップを楽しみましょう。

沐浴(おふろ)

  1. お風呂に入ると赤ちゃんのいつもと違った表情が現われます。羊水の中でゆらゆらしていた赤ちゃんは、とってもリラックスします。

ファミリールーム

  1. ご家族と赤ちゃんと一緒に過ごしていただけます。赤ちゃんの生活リズムを実感していただくために、退院前に宿泊もできます。

きょうだい面会について(予約制)

2週間以上入院されている赤ちゃんは、きょうだい面会が可能です。
予約制となりますので、詳細は新生児センターにご確認ください。
※面会前に下記の動画をご覧ください。

面会される方へのお願い

赤ちゃんの健康・環境を守るために、以下の事項をお守りください。

服装

  1. 衣類は、清潔で赤ちゃんの肌が傷つかない柔らかい素材を着用してください。
  2. 赤ちゃんがおだやかな環境で過ごせるように、音が鳴らない靴(低いヒールなど)を着用してください。
  3. 帽子、時計、大きなアクセサリーは、事前に外しておいてください。

携帯電話・スマートフォンの使用

当センターは集中治療室です。医療用電子機器への影響を防止するため、携帯電話・スマートフォンを持ち込まれる場合は、入室前に必ず電源をお切りになるか機内モード(電波を発しない状態)に設定変更してください。

写真・動画撮影について

  1. 院内での写真・動画撮影は原則禁止していますが、ご自身のお子様のみの撮影は特別に許可しています。
  2. 他の患者さんやスタッフが写らないようにご配慮をお願いします。
  3. SNSやブログなどへの投稿はご遠慮いただいております。

感染予防について

ご家族で発熱・下痢・眼の異常など体調を崩された方や、感染症にかかっている方の入室はご遠慮いただいております。
不安な場合は、看護師にご相談ください。

  1. 入室前は、石鹸でしっかり手を洗います。
  2. 赤ちゃんに触れる前には手洗いや手指消毒を行ってください。
  3. ご退室される際は、赤ちゃんから近い手洗い場で手を洗ってからご退室いただきますようお願いします。

非常時について

災害発生時には職員の指示に従ってください。

安全対策について

  1. 患者さんの安全を考え、関係者以外は新生児センターに入室できないように扉は施錠しています。
  2. 防犯上の理由により院内に防犯カメラを設置しておりますのでご了承ください。
  3. 院内を保安管理者および警備員が巡回して安全を保っています。
  4. 他の患者さんや職員に対して迷惑となる行為や診療業務の妨げとなるような行為は慎んでいただくようにお願いします。

周産期搬送体制・ ネットワーク体制

母体搬送

母体搬送とは、母体の治療・救命、ならびに胎児・新生児の予後の改善のために、妊婦・産婦・褥婦さんを救急車等で一次・二次の産科医療機関から高次周産期医療機関へ搬送することをいいます。搬送の理由として多いのは、切迫早産、前期破水、分娩後の出血などです。

切迫早産等については、母体搬送後の当院での入院管理により一定の妊娠週数に達した場合は、妊婦さんの意向をお聞きしたうえで、紹介元の医療機関へ逆紹介または逆搬送を行う場合があります。

新生児搬送

新生児ドクターカー

マイクロバスをベースとし、新生児専用の救急車として改造しました。

車内には、HFOも可能な人工呼吸器を搭載し、重症呼吸障害に対しても適切な診療を提供しながら搬送することができます。また中央に開放型保育器を設置し、いかなる緊急処置も可能になっています。双胎に対応すべく新生児2名を同時搬送することができ、まさに動くNICUといっても過言ではありません。ちなみに、「きらり」は"ベビーの輝く未来に希望を抱く"ことから命名し、スタッフ一同、誇りと愛着を持って呼び親しんでいます。

新生児搬送

西三河南部地区を中心に、各医療機関のご理解とご協力をもって搬送ネットワークとして機能しています。実際には、安城更生病院NICUへのホットラインによる極めてシンプルな依頼方法で新生児搬送要請をお受けし、新生児専用救急搬送車「きらり」を出動させ、医師および看護師が可及的速やかにベビーのもとに駆けつけます。

「きらり」内部では、人工呼吸器をはじめ蘇生処置が可能であり、しかも医療を継続したまま適切な収容施設に搬送を可能にします。令和元年6月現在、年間約200回以上の新生児搬送要請があり、多くのベビーの救命にあたっています。

献身的な産科医療の中にあっても不測の事態はゼロにはなりません。この新生児搬送システムは、大切な大切なベビーの未来がより豊かなものとなるように誠心誠意サポートしていきます。

迎え搬送

  1. 対象児発生
  2. ホットラインに直通搬送依頼
  3. 新生児ドクターカー出動
  4. 新生児ドクターカー到着   *新生児搬送情報提供書にて情報伝達
  5. 分娩施設にて必要な処置を実施
  6. ご家族へ説明
  7. 当センターへ搬送入院

西三河周産期医療ネットワーク協議会

総合周産期母子医療センター開設に際し、母体搬送システム・新生児搬送システムの充実およびより円滑な運用を目指して、西三河周産期医療ネットワーク協議会を立ち上げました。西三河の南部と中心とした周産期医療に関わる病院および施設(産婦人科医院・助産所)の代表者が集い、実績報告・意見交換が行われています。本協議会を通じて、より緊密な施設間の連携を築くと同時に、より充実した周産期医療体制を構築することで西三河の妊婦さんがより安心してお産していただけることを目指します。