腎臓の機能が低下すると血液中の毒素や水分を体外へ排出できなくなるため、透析という治療が必要になります。透析には腹膜透析と血液透析の2種類があります。

腎臓の機能が低下する原因は?

 原因として多いものは糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎などです。

腹膜透析って?

 腹膜と呼ばれる自分のお腹の膜を使って血液をきれいにします。お腹の中と外をつなぐ専用の管から透析液を入れて4~8時間程度貯留しておくと、体に不要な老廃物や余分な水分が血液から腹膜を介してお腹の透析液側に出てきます。その液を体の外に排液することで老廃物が除去されます。腹膜透析は自宅で行えるので、通院は月1~2回程度になります。

血液透析って?

 腕の血管に針を2本刺して片方の針から血液を取り出します。ダイアライザーと呼ばれる人工の腎臓を通過させて血液に溜まっている余分なミネラルや水分を排出します。ダイアライザーから出てきたきれいな血液をもう片方の針から体に返してあげる治療法です。

 専用の機械や針が必要なので病院やクリニックに通い、基本的には1回4時間の治療を週3回行います。腎臓の約2日間分の働きを4時間で行うため体への負担は腹膜透析に比べると大きいことがあります。

どれぐらいの人が透析をしているの?

 日本の透析患者数は約35万人*となり、年々増加しています。

 腎臓を守るためには、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症に気をつけ、禁煙や適正体重の達成に取り組むなど良い生活習慣が大切です。この機会にみなさんも生活習慣を見直してみてはどうでしょうか。

 *日本透析医学会 統計調査委員会 わが国の慢性透析療法の現況 (2020年12月31日現在)

この記事はJAあいち中央広報誌ACT2023年8月号に掲載されました。

広報誌|JAあいち中央 (jaac.or.jp)