骨粗しょう症について
診療放射線技師 椿原隆寿
(JAあいち中央広報誌ACT2月号より)
どんな病気なの?
骨粗しょう症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって弱くなる病気です。骨粗しょう症になっても、最初は何の症状もありませんが、そのうち腰や背中が痛くなったり、曲がったりしてきます。ひどくなると骨折を起こして寝たきりの原因にもなります。
寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗しょう症による骨折であることから、高齢社会が抱える問題の一つとなっています。
骨粗しょう症の主な要因は?
骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。これを骨代謝といいます。 ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足したりすると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになり、骨密度が低下し骨折しやすくなります。
骨密度測定の検査方法は?
骨密度は骨の強さを判断するための代表的な指標です。X線や超音波を使った検査があります。2種類のX線を使って測定する方法をDXA法(デキサ法)といいます。放射線の被ばく量もわずかで検査時間は10分程度です。主に腰椎と股関節の測定を行い評価します。
早期発見のために
骨粗しょう症が病気として診断されるのは健康診断などで問診や骨密度測定検査をしてはじめて・・・という場合が多いようです。他の病気と一番違うのは『自覚症状がない』ことです。骨が痛いということはなく進行し何かの拍子に折れてしまうという、やっかいな病気です。予防に勝る治療はありません。この機会に、骨密度測定を受けてみてはいかかでしょうか?


