• 病気のおはなし

Vol.009 熱中症

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救急科代表部長 田渕昭彦  

(2017年7~8月発行 いんふぉめーしょん更生より)

☀熱中症に気をつけましょう

 今年は6月7日に梅雨入り宣言されたものの雨が降らない"カラ梅雨"状態が続きましたが、気温は真夏日に達していても湿度が低く推移していたため、それなりに過ごしやすい晴天を満喫できました。6月下旬から恵みの雨?が降り出したことにより、これからは高温・多湿の条件が揃うために「熱中症」への対応が欠かせません。屋外だけでなく室内でも発症することがあり、普段から室温を確認する習慣が大切です。特に梅雨明け前後の暑さには最も注意が必要です。毎年の全国調査を見ても、熱中症により約4~5万人の方が救急搬送されています。年代別にみると65歳以上の高齢者が半数近くを占めており、救急搬送された患者の約4割は入院しています。高齢患者の特徴として、①のどの渇きを感じにくい ②暑さを感じにくい ③汗をかきにくい といった点があり体温を下げるための反応が弱くなっているため、自覚が無いのに知らず知らずのうちに熱中症になる危険があります。


 熱中症の初期症状はめまい・たちくらみ・手足のシビレ・こむら返り・気分不快などですが、進行すると頭痛・吐き気・倦怠感・虚脱感を来し、さらに重症化すると意識障害・けいれん・運動障害(普段通りに歩けないなど)といった症状になります。

 予防策は、のどが渇かなくてもこまめに水分補給(塩分も含む)することが一番ですが、調子が悪いと感じたら早めに涼しい場所で休憩を取ることが肝心です。安静時には少しでも体温を下げるために、衣類を緩めて熱を放散しやすい状態にしましょう。自分で経口摂取可能な状態で、かつ安静にしていることで症状が回復すれば良いのですが、自力で摂取できない場合には医療機関へ搬送が必要です。意識がもうろうとしていたり吐き気がある場合、患者に無理やり水分を与えると誤飲して肺炎を招く危険があるため、病院へ救急搬送して点滴による水分補給を行わなければなりません。

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