必要な痛みと不必要な痛み

痛みは辛いです。おそらく医療機関を受診される理由として最も多い症状は痛みだと思います。見方によっては、痛みは体の不具合を知らせてくれる非常に有難い症状とも言えます。先天性無痛無汗症という痛みを感じない疾病がありますが、例えば打撲しても痛みが無いため、骨折、脱臼などを繰り返し、日常生活に大きな支障を生じます。ただし、痛みが必要以上に強かったり、長かったりすれば不利益が多くなり、また、有益性が全く無い痛みもあります。頭痛に関しても同じです。

頭痛の原因は脳みそ(脳実質)の異常?

頭痛があると多くの方は、頭の中で何かが起こっていると心配になられます。しかし、脳細胞には痛みの神経は無く、仮に脳を刺激しても痛みは感じません。すなわち多くの頭痛は、脳みそとは関係ない場所で生じていることが殆どです。

突然発症した激しい頭痛、痛みがひどくなってくる頭痛、頭痛以外の症状がある場合、50歳以上になって初めて起きた頭痛などには要注意

上記のような頭痛は、脳卒中、脳腫瘍などによる可能性があり、医療機関の受診が必要になります。特に、急または突然に起きた頭痛の時には、速やかに医療機関を受診しましょう。

特に若い女性の辛い頭痛について

片頭痛の可能性が高いです。片頭痛は痛みが強いだけでなく、痛みが無い日でも体調不良や精神的ストレスがあり、生活や人生に多大な影響を及ぼします。また、片頭痛に対し鎮痛剤を飲み過ぎて、むしろ頭痛を悪くしている場合もあります。最近、片頭痛治療が劇的に変わり、片頭痛を起こさせないようにすることも出来るようになってきました。たかが頭痛とは思わずに、医療機関を受診してみましょう。

この記事はJAあいち中央広報誌ACT2024年月号に掲載されました

広報誌|JAあいち中央 (jaac.or.jp)