日本人女性がもっとも罹りやすいがんが乳がんです。
今回は乳がん検診における、マンモグラフィー検査の結果の見方について説明します。
カテゴリー分類って?
カテゴリー分類は、左図のように「どのくらいがんを疑うか」を5段階で示すものです。
要精査になると、病院で詳細な検査を行い、それががんなのかどうかを調べます。
「高濃度乳腺」とは?
「高濃度乳腺」は、乳腺の量を示すもので「病変の検出しにくさ」を表しています。(右図)写真の白い部分が乳腺で、多い順に高濃度、不均一高濃度、散在、脂肪性の四つに分かれます。乳腺が多いほど病変が見えにくくなる可能性があるため、これを補う検査として超音波検査があります。
腫瘤とは?
しこり=「がん」ではありません。カテゴリー3以上の腫瘤は、精査で良性か悪性かを調べます。
石灰化とは?
多くはカルシウム成分が沈着したもの(良性)です。一部がんにより生じるもの(悪性)もあります。画像では形や大きさ、分布の仕方でカテゴリー分類されます。
局所的非対称陰影(FAD)とは?
乳腺か腫瘤か、判断のつかないもののことをいいます。乳腺の重なり方や左右差により、正常でもFADと診断がつくこともあります。
構築の乱れとは?
乳腺の構築が歪んでいるものを示します。手術を受けたことがない場合、がんを疑う所見ですが、正常でも構築の乱れに見える場合があります。構築の乱れが指摘された場合は精査となります。
乳がん検診で「要精査」と判定されると、精密検査を受けるまで不安な気持ちで過ごされている方が多いと思います。
がんとは限りませんので、あまり深刻に思い詰めず、しっかり病院で検査を受けましょう。
乳がんは早期発見、早期治療が大切です。多くの女性に乳がん検診の受診をおすすめします。
この記事はJAあいち中央広報誌ACTの健やかレター2018年11月号に掲載されました。