みなさんECMO(エクモ)という言葉を聞いた事はありますか?
新型コロナウイルス感染症の治療のニュースにて多く取り上げられた治療です。

ECMO(エクモ)とは

ECMOとは体外式膜型人工肺(ExtraCorporeal Membrane Oxygenation )の頭文字をとった略称です。
遠心ポンプ(心臓の代わりになる機械)で血液を送り、人工肺(肺の代わりになる機械)で血液に酸素が取り込まれ、足や首の血管へ入れた太い管から体内に返します。 このように本来は心臓と肺が行う機能を代わりに賄います。

遠心ポンプ(心臓の代わりになる機械)って?

羽根車が回転することにより、遠心力が発生し装置に入ってきた血液を外に吐き出す力を利用したものです。心臓は拍動しながら血液を出し入れするので遠心ポンプとは異なる動きですが、血液を出し入れする動きは同じです。

人工肺(肺の代わりになる機械)って?

人工肺の中には中空糸と呼ばれるストローのような構造の糸が無数に入っています。ストローの外に血液を、中に酸素を流すことにより血液に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。呼吸に似た働きをすることから人工肺とよばれます。

ECMO(エクモ)の目的は?

自身の心臓や肺が大きなダメージを負い、生命を維持できない場合に一時的にその機能(の一部)を補う生命維持管理装置です。心臓や肺がダメージを受けたことでその他の臓器に酸素が多く入った血液が届かず、他の臓器が機能しなくなることを遅らせます。各臓器の機能を一時的に維持しダメージを受けた臓器の負担を下げ、回復するのを待つのが目的となります。新型コロナウイルス感染症の場合は重症になった際に、肺が著しく悪化しECMO(エクモ)を使用する場合があります。

この記事はJAあいち中央広報誌ACT2024年8月号に掲載されました

広報誌|JAあいち中央 (jaac.or.jp)