軽い衝撃でも起こりうる血腫

 高齢の方が転倒して頭をぶつけても、「大したことはなさそう」と様子を見てしまうことはよくあります。しかし、高齢になると脳が萎縮し、頭蓋骨との間にすき間ができているため、軽い衝撃でもそのすき間に血がたまりやすくなります。このようにたまってしまった頭の中の血腫のことを「慢性硬膜下血腫」といいます。

症状はゆっくり現れる

 この病気の特徴は、すぐには症状が出ないことです。受傷から数か月ほどかけて、脳の表面にじわじわと血液が溜まり、症状が出現してきます。そのため、頭をぶつけたこと自体を忘れた頃に、もの忘れの悪化や歩行のふらつき、片方の手足の力の入りにくさ、性格の変化などが現れます。こうした症状は認知症とよく似ているため、「年のせい」と見過ごされがちです。

検査と治療について

この病気はCTやMRIで診断でき、頭蓋骨に小さな穴を開けて血腫を取り除く手術で、症状の改善がみられることがあります。

気になる変化があれば受診を

 数か月前の転倒後に、もの忘れや歩き方の変化がみられるようになった場合は、様子を見ずに近くの医療機関を受診してください。

 

この記事はJAあいち中央広報誌ACT2026年10月号に掲載されました
広報誌|JAあいち中央 (jaac.or.jp)