ひとりでも多くの方に手術を ~ 年間約8,300件の手術をマネジメントする ~
手術センター看護課長 柴田 直美
(2019年1~2月発行 いんふぉめーしょんこうせいより)
手術センター看護課長の役割
当院は1日30件以上の手術があり、入院患者さんの約半数が手術対象です。仕事の多くを占めるのは、毎日の手術室(13室)プログラムを考えるマネジメント業務です。また、手術室で使用する機器・資材を経営視点で管理することも重要な役割の一つです。未来の医療需要ピークを予測し、適切なタイミングで準備・機器導入を行います。
手術マネジメントの難しさ
当院は急性期病院のため、絶えず緊急患者さんが搬送されます。毎月約700件ある手術のうち、約100件が緊急手術です。手術室では、緊急手術に即座に対応できる部屋を確保しつつ、より多くの手術ができるように部屋の割り振りやスタッフの配置などパズルのように手術プログラムを計画します。また、手術準備やスタッフ間の連携などで手術時間が短縮できるよう常に手術時間の分析を行っています。誤差の少ない手術終了予定時間をご家族に伝えることは、不安軽減に繋がります。さらに、予定時間を把握することは効率のよい手術運営に繋がります。
手術一覧を確認
毎朝、1日に行われる手術の一覧を確認し、手術室全体の流れを把握します。
緊急手術依頼の電話
突然入る緊急手術にも即対応します。
スタッフとのコミュニケーション
48人いる看護スタッフの管理やコミュニケーションも大事な仕事のひとつです。
この仕事の魅力
手術センターの看護師は、病棟看護師と比べ患者さんに関わる時間は短いですが、手術中は、ずっと一人の患者さんに寄り添い支えることができます。局所麻酔で意識のある患者さんには不安が和らぐように声をかけ続け、全身麻酔では患者さんの代弁者として執刀医に患者さんの様子を伝えます。また、私たちは常に手術成功という目標に向かって手術チームが一丸となれるように先を読んだ準備と手術チームスタッフへの支援を行い、チームのまとめ役として手術をサポートします。患者さんの負担が少なく、スムーズに手術が終わった瞬間は患者さんへの労いとともに、達成感や喜び・やりがいを感じます。
目指していること
急性期病院で行う手術は、日々進化、高度化しています。手術前から手術後まで、患者さん中心の支援ができるように病棟や外来と連携し、橋渡し役のような存在として安全・安心な手術を目指しています。手術は患者さんの人生の中で大きなストレスとなるものです。不安や痛み・恐怖を少しでも和らげ、生きる力に繋がるように今後も支援していきたいです。