小児医療センター長 久保田 哲夫
(2018年9~10月発行 いんふぉめーしょんこうせいより)
予防接種は必要?
予防接種とは、感染症の原因となるウイルスや細菌またはその毒素の力を弱めてワクチンを作り、これを身体に接種してその病気に対する抵抗力をつけることです。子どもは様々な感染症にかかるのですが、ほとんどの場合治癒します。しかし、時に後遺症が残ったり死に至ることもあります。病気を予防し、かかったとしても症状を軽くしてくれるのが予防接種です。近年、非常に多くの予防接種があり、保護者の方はスケジュール調整が大変かと思います。しかし、予防接種が普及した恩恵により細菌性髄膜炎(ずいまくえん)や重症ロタウイルス感染症などは、以前に比べ格段に減少しています。子ども自身を守るため、また世の中に流行させないためにも確実に予防接種を接種しましょう。
みんなで子どもの事故を防ごう!
1歳から9歳までの子どもの死亡原因第1位は「不慮の事故」。残念ながら日本の子どもの事故による死亡率は先進国の中では高いのです。また、死に至らなくても、事故は日常生活の中で多発しています。子どもの事故は予防や予測可能なものが多くあります。子どもの事故防止支援サイトでは、窒息・溺水・誤飲や誤嚥・熱傷・転落・外傷など、様々な気を付けるポイントをまとめた「子ども達に安全をプレゼント」を情報提供しています。これらの充実した情報源を利用し、みんなで子どもを事故から守りましょう。
じょうずな病院のかかりかた
小児科で診察する子どもは、体重500gに満たない赤ちゃんから、大人顔負けの体格の中学生まで大変幅広く、また病気の種類も千差万別です。近隣には頼りになる小児科開業医の先生方が多くみえます。お子様のことで気になること・不安なことがあれば、まずは近くのかかりつけ医にご相談いただき、当院でも小児科医を中心に様々な専門スタッフと協力しながら、適切な対応をさせていただきます。小児科医は「子どもの総合医」であるという姿勢のもと、子どもの健康、人権および福祉の向上に寄与していきます。
小児科医師総勢16名をはじめとする病院全体で、地域のあらゆる子どもの病気・保護者の皆さんの心配を全力でサポートします
〈くぼた てつお〉岐阜県岐阜市出身。
1996年名古屋大学卒業。当院で臨床研修を開始。名古屋大学病院を経て、2016年より小児医療センター長