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Vol.004 救急車の適正利用

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救急科 代表部長 田渕 昭彦 

(2017年5月発行 いんふぉめーしょん更生より)

皆さん、『救急車の適正利用』という言葉を聞いたことがありますか?急病や大ケガの時にはすぐに119番通報しているのが一般的ではないでしょうか。ではどれほどの重症度であれば救急要請すべきかの具体的な基準というものを理解できていますか?実はこの基準・判断が曖昧になっているのが実情でしょう。世の中は核家族化に加えて世帯の高齢化が急速に進み、住民は不安の余り119番通報をしていると思われます。


 愛知県の人口は現在748万人を有していますが、救急搬送件数は年々増加傾向にあり、平成28年度には32万9250件に達しました。つまり1・6分に一回の割合で救急車が出動しており、県民の25人に1人が救急搬送されたことになります。119番通報後に救急車が現場到着するまでの平均時間はここ数年7・7分を要しています。全国平均では8・6分ですから、愛知県は随分と迅速に対応できていることが分かりますよね。

愛知県内でも西三河地区は心停止患者の社会復帰が最も高いことが示されています。しかし、衣浦東部消防局管内には51万人の人口を抱えていますが、消防職員は僅か429名しか所属していません(標準的な人員配置数は人口10万人に対して消防職員100人)。それを補うために救急車に加えて消防車も連携出動して、救急現場活動の質を向上させる努力をしています。さらに、保有救急車両は16台のみで全域をカバーしているため、救急要請が重複すると遠方からの救急車が現場へ向かうことから現着時間が遅延してしまうことが危惧されます。以前にも不適正な救急車要請に対する有料化が検討されましたが、賛否両論あり結論には至りませんでした。余談ですが日本やロンドン・ローマでは無料ですが、ニューヨークやロサンゼルス、バンクーバーでは3~6万円の費用がかかるそうですよ。


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