認知症とは?
さまざまな原因で脳の神経細胞の働きが悪くなる、あるいは死んでしまうことにより、物忘れや認知機能の低下が起こり、社会生活や対人関係などの日常生活に支障をきたす状態です。加齢により誰もが経験する「物忘れ」とは違い、認知症では出来事の内容だけでなく、出来事自体を忘れたり、物忘れの自覚がなかったりする場合が多いです。我が国では人口高齢化に伴い患者数も増加しています。
認知症の原因は?
認知症の一種であるアルツハイマー病は、認知症の原因として世界的にも最も多く、記憶障害、特に最近の記憶の障害が現れることが多い疾患です。その原因として、脳にアミロイドβとタウという蛋白質が異常蓄積して、神経細胞が徐々に変性して発症すると考えられています。
新しい認知症検査(アミロイドPET)
アルツハイマー病の確かな診断には、アミロイドβとタウ蛋白が脳に蓄積していることを確認しなくてはなりません。近年の画像技術の発展により、これらの沈着を映し出す検査、アミロイドPET検査が当院でも始まりました。検査はアミロイドβに結合する放射性物質を注射して撮像し、2時間程度で終わります。

認知症治療薬
脳内に蓄積する異常蛋白質アミロイドβを除去し、認知機能低下の進行を遅らせる治療薬が国内で承認されています。この治療薬を使用するには、アルツハイマー病の初期段階であり、アミロイドPET検査または髄液検査が陽性である必要があります。
安城更生病院のアミロイドPET検査
当院は日本核医学会により「PET撮像施設認証」を取得しており、厳格な基準の下でアミロイドPET検査を行っています。スタッフ全員で質の高い医療を提供することに努めてまいります。
この記事はJAあいち中央広報誌ACT2025年5月号に掲載されました
広報誌|JAあいち中央 (jaac.or.jp)