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Vol.020 院内がん登録実務中級者

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正確ながんの実態把握でがん対策に貢献する

院内がん登録実務中級者 榊原さおり 

(2018年1~2月発行 いんふぉめーしょんこうせいより)

がん登録とは

 がんと診断された患者さんの情報を管理する仕組みを「がん登録」と言います。

各病院で登録したがん登録情報は「県」→「厚生労働省」→「国立がん研究センター」で共有します。

 「がん登録」の業務は、2016年「がん登録推進法」によりすべての病院で義務化されています。

 国が主体となり全国からがんの情報を集め、がんの発生状況やがん検診の効果などに活用し、これらの情報に基づいて、我が国のがん対策が策定されています。

院内がん登録実務中級者の仕事

 当院ではがん発生部位や治療内容など年間約2千症例を登録しています。登録には専門的な知識が必要となるため、国や県が主催する研修会や勉強会などに参加して、日々知識向上に努めています。がん登録は、カルテの中身を1件ずつ丁寧に確認し、登録します。

 さらに、「患者さんの安全管理」を強化するために2012年より当院独自の方法で、がんに対する適切な説明や治療が開始されているかを確認しています。この取り組みは病院内でも高く評価され、医療安全管理に関する「院内最優秀取り組み賞」を受賞しました。

お仕事紹介

毎朝、ミーティングを行いがん登録の進捗状況確認

年間約2,000症例を計画的に登録するために、1週間の目標値を設定しています。また、がん登録業務に関する新たな情報がある場合には、このミーティングでチーム内へ共有します。

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実務風景

対象となった患者さんのカルテを確認し、がんの診断日、発生部位、組織型、TNM分類*、ステージ、治療内容などを統一した様式へ入力します。部位により登録内容も異なるので、全国共通の登録ルールを確認しながらの作業です。

*TNM分類とはがんの病期分類のこと。

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臨床医とのカンファレンス

がんのTNM分類*やステージの判断に困った場合には医師に確認します。また、がんに対する適切な説明や治療が開始されたことが確認出来ない場合には、医師に直接連絡し、安全な管理を行っています。

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病理診断科でのカンファレンス

組織診や細胞診の結果に基づいて対象患者さんの抽出を行っています。病理結果で悪性の場合は、がん登録の対象となります。病理結果について不明な点は、病理診断医師や細胞検査士に確認します。

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この仕事の魅力

 私たちの仕事は、直接患者さんと接する仕事ではありませんが、「地域がん診療連携拠点病院」の一員として、地域の皆さまのがん診療の一翼を担っているという自覚を持ち、「がん登録」に取り組んでいます。

 私たちの仕事を通して、多くのがん患者さんの診療やがん対策に繋がっていくことが私の願いであり、モチベーションの1つです。

目指していること

 国民の2人に1人はがんになり、3人に1人ががんにより亡くなる時代を迎えています。これからは、早期発見などがん治療で重要な要素を分析し、国を挙げてがん対策を推進していく流れとなります。まだまだ知名度の低い「がん登録」ですが、がんの実態を把握するための重要な業務です。

 今後も精度の高い情報を国へ送り続けることで、陰ながら日本のがん診療・がん対策の発展に貢献していきたいと思います。

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