• 病気のおはなし

Vol.35 知れば安心 在宅医療のはなし

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在宅医療連携推進センター長  杉浦 真

(2018年7~8月発行 いんふぉめーしょんこうせいより)

今なぜ在宅医療なのか?

 日本は今まで世界が経験したことのない超高齢社会に突入しようとしています。高齢者が増えることで医療や介護の需要が爆発的に増大するため、今までの医療・介護システムの大転換が迫られています。現在、自治体ごとに「地域包括ケアシステム」の整備が進められています。地域包括ケアシステムとは「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム」です。地域包括ケアシステムでは在宅療養が中心であり、「時々入院、ほぼ在宅」をスローガンに在宅療養を支援することが重要となっています。


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当院の在宅医療への取り組み

 こうした情勢の中で、安城更生病院では2008年より訪問診療を行っています。当院に入院もしくは外来通院している患者さんで通院が困難な方、人生の最後の時まで自宅で療養したいと願う方を中心に今まで500名以上の患者さんに関わってきました。そのうち自宅で最後を迎えた方は250名以上にのぼります。介護する家族の負担はありますが、地域の訪問看護、ケアマネージャー、訪問介護士などと連携して在宅療養をサポートします。

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自分らしい人生を送るために

 超高齢社会を迎えるにあたり、私たち医療者も国民も医療に対する考え方を大きく転換する時期なのかもしれません。疾患を治療し克服し、できるだけ長く生きること(キュア:Cure)を目指してきた今までの医療から、疾患を抱えながらいかにその人らしい生活や充実した人生を生きるか(ケア:Care)に主眼を置く医療への転換、そのためには普段から命について考え、自分らしい生き方、価値観を意識することが求められます。家族にも自分の意思を伝えておくとよいかも

しれません。そして人生を一緒に歩んでくれるかかりつけ医を持つことも大事なことだと思います。


病(やまい)や障がいを抱えても、住み慣れた地域で自分らしく過ごせるように支援していきます。


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〈すぎうら まこと〉安城市出身。

1995年浜松医科大学卒業。神経内科医として在宅医療に従事。2015年より在宅医療連携推進センター長。

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